でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

ユッケと原発と

先日から報道されている、ユッケを食べた人が食中毒で亡くなった事件は、本当にお気の毒としか言いようがない。ただ、その中で、自分としてとても気になることが出てきた。

報道される中で、ユッケ用生肉を注文する側は、生食用肉として注文書に書くのだが、販売する卸元は、そういった注文には生食用と保証されてはいない肉を卸すのが慣例だった、と言うものがあった。さらに興味深かったのは、改めて卸元に聞くと「生食用ではない」という発言があっさり出てきた事だ。

卸元は「生食用ではないから店が客にユッケとして出さないはずだ」という自分だけの理屈で、店側は「生食用注文に対して納品された肉だから大丈夫だ」という自分だけの理屈で考えていた。個別では最適だったが、全体として見ればすぐ分かる「齟齬」や「矛盾」をそのまま放置してきた結果が、今回の事件ではないか?

気になるのは、原発問題でも同じ事が起きていないのか、ということだ。科学会や産業界では、原発に問題があるという人がそれなりにいたが、発表だけで終わり(もしくは業界で力を得られず)終わってしまっている。電力会社(とユーザ)側は、「安全に出来る技術があるから大丈夫」という理屈をかき集めて、安全を担保し、運営してきたのではないのか?。

そこに、自分たちの理屈を超える「食中毒菌」「巨大な津波」という事態が起きてしまった。

中電・浜岡原発の中止要請が先日報道された。それを聞いて「いよいよ中部にも来た!」と思った。でも、それだけではなく、上に述べたような関係性を打ち破る「全体を見て判断をする」という事例になるのかどうか、今後の動きを注視したい。