でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

300億年に1秒の差を測る

今月の日経サイエンス(2011年1月号)に面白い記事が載っていました。題して「300億年に1秒の差を測る 究極の時計 世界標準へ」というものです。東京大学の香取教授が、従来の時間計測を一気に1000倍も高精度にして、0.000000000000000001秒の制度で時間を測定できる技術開発したのだという。

数字だけだとイメージがつかめないが、地球に対して1cm高くなると、その重力の差で時間がわずかに速く進む。その差が測定できるのだという。

他にも、歩いている人と止まっている人の間でも、相対論によると実は時間の流れが違うのだが、それが測定できるのだそうだ。

もっとも、相対論では重力による時間の差と運動による時間の差は区別できないはずなので、時計だけ見て状態を判別することはできず、他の方法と組み合わせる必要はあるが(例えば、目視)。

まあ、それだけなら「なんの役に立つの?」だが、科学の計測分野では飛躍的に精度が上がるのだという。例えば、距離を物差しで測る代わりに、光が到達するまでの時間で計ることにすれば、1000倍精度が上がると言うことだ。

物差しを一気に3桁も精度を上げることは、時間の精度を上げることよりずっと難しいという。「重力波の検出から、地下資源の探索まで、その影響は極めて広範囲に及ぶだろう」とのことだ。

そんな画期的な方法に、日本人の科学者の方が関わっているという記事を見て、まだまだすごい人が日本に入るものだ、と嬉しくなってしまった。ノーベル賞級の話だったら、さらに良いなあ。