母の認知症はレビー小体型認知症と診断されています。認知症の原因としては2番目か3番目に多いものですが、典型的な症状は幻覚です。
母も発症当初はかなり幻視を感じていましたが、ここ1年ほどは幻聴が主になりました。それも、自分がしゃべったり、頭の中で考えたことが、見えないけれどもすぐ後ろにいる影武者がしゃべったように感じたり、近くでスピーカーで大きく流されているように感じています。
ちょっと珍しいケースかもしれません。
なので、一人でしゃべりながら「勝手にしゃべるな!」と怒ってみたり、「なんであんなに私のことを勝手に放送で流すの!」と文句を周りに言ったりします。
先日、病院に行って、あれこれ検査されて帰って来たときは、やっぱり疲れていて、その日は早く寝ていました。翌日の朝には、
「明日のデイケアは、ちょっと休んだ方がいいかもねぇ」
と言ったそばから、母にだけ感じる影武者に向かって、
「あんたが何を楽しみにしているの!私が行くデイケアだからね!」
とどなりました。
影武者の言葉は本当は母が考えたことなので、思わず笑いそうになりました。ちょっと気分が落ち込んでいて、休んだ方が良いかな、と思いながらも、心の底では楽しみにしているのでしょう。実際、いつもうれしそうに出かけます。
その気持ちが思わず影武者の言葉になって出てきたようです。
ということで、「やっぱり行くわ」と言って、デイケアに出かけていき、「楽しかったわ」と言いながら帰って来ました。
なかなかかわいい母です(笑)。