毎年恒例、エゴノキプロジェクトに参加してきました。
エゴノキプロジェクトとは、和傘の骨を束ねる「ろくろ」と言う部分に使われる木を、年に一度、関係者が集まり採集するプロジェクトです。
昔、和傘の生産が盛んだった頃は、炭焼きも盛んであり、炭焼き職人が木を伐採しても、エゴノキ(当時はチシャノキと呼ばれていたと思います)は和傘のろくろに使われるので、炭にせずに残して、それを使っていました。
他には、子供たちがエゴノキを見つけて切り、買いに来る業者に渡して小遣い稼ぎをしていた、と言う話もあります。
しかし、そういう、里山を利用する循環が途切れてしまい、エゴノキを採取していた林業の方も亡くなり、「木が入らない」という相談が岐阜県立森林アカデミーに入ったことが、このエゴノキプロジェクトのきっかけになりました。
2012年に話が始まり、通算9年目になった行事に出かけてきました。
参加者は、和傘関係者、林業関係者、森林アカデミーの方たち、そしてボランティア的に参加している私のような人たちです。
全体的に曇り気味でしたが、ちょっとパラパラと雨が降った程度で済みました。雨が予想されればもちろん順延なのですが、微妙な天気で開始したあとで雨が降り出したら結構悲惨なことになります。なにしろ藪の中に入って山の中を歩いて作業をすることになるからです。
木を切るのはチェンソーを持った人が中心で、私たちは主に搬出を行います。バケツリレー的に搬送しますが、足場は悪いし段差はあるし、結構大変ですが、一日なら気合いでなんとかなります。明日は体中が筋肉痛かも知れませんが、とにかく今日を乗り切れば良い。
結果的に多数のエゴノキを収穫できました。
今年から、和傘の職人を引き継ぐ、ということで募集をして、エゴノキを使うロクロ職人と、竹を加工する職人さんとして勉強をしている人がいます。竹を加工する方の方は、長髪で職人のイメージからは少し違いますが、真面目に加工している写真も見ましたし、Facebookで私が「イイネ」をしたことをちゃんと覚えていてくれて、声をかけてもらいました。
いやー、なんかすごい事態なので、応援しますよ!もちろん気持ちだけではなくお金でもね。
このエゴノキプロジェクト、伐採のためには藪の中に分け入って木を探して切って搬出して・・・というのが面白いし、なかなか経験できないことです。若かりし頃は道なき藪を突っ切って上に上に向かって奥美濃を制していたなぁ、という懐かしさも感じます。それをほんのちょっとだけ少し味わえるのも、私の甘い思い出ですし、この活動の面白さでもあります。