でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

エゴノキプロジェクトに参加してきました。

先週26日の土曜日、岐阜の瓢ヶ岳山麓で開催された「エゴノキ」プロジェクトに参加してきました。

和傘の部品となる「ロクロ」は、傘の骨が集まってくる部分ですが、その材料となるのが「エゴノキ」です。日本のエゴノキは、数年前まで1人の方が供給していたのですが、その方が亡くなり、和傘生産に危機が訪れました。

その時、岐阜県立森林文化アカデミーの方がいろいろ骨折って下さり、アカデミーの方、地元の林業家、和傘生産者が集まってエゴノキを伐採する試みが始まりました。

それが発展して今「エゴノキプロジェクト」となっています。「岐阜オンパク」のプログラムになっていて、私はそれに応募して、今年初めて参加しました。

瓢ヶ岳のある片知警告は、以前登山で何回か訪れたところです。今はボルダリングのメッカになっているそうですが、確かに登山道沿いに大きい岩があったり、得に大きなものは奉られて崇拝の対象となったりしています。

そんな中、林道を走って森の中につきました。この先は本格的な林道、という所で降りて歩き、10分ほどで林業小屋の所につきました。ここをベースとしてエゴノキプロジェクトは行われます。

参加者は、私のようなオンパクで申し込んだ人の他に、森林文化アカデミーの人や、和傘関係者、地元林業家の方々です。

まずは主催者の話があり、エゴノキを材料として「ロクロ」を加工する日本唯一の木工所の長谷さんの挨拶、伐採の注意事項などを聞いていよいよ刈りに行きます。

山に入ると多少は道っぽいところもありますが、基本ササに覆われた藪と森ばかり、若い頃には全く道もない山の藪漕ぎをよくやったよなぁ、と思いながらも、今はとてもそんな元気はありません。ただ周辺は標高差はそれほどなく、エゴノキも林道のすぐ近くから生えています。

エゴノキは、少し紫がかった木肌をしています。また縦にこまかい筋がいっぱい入っています。紫が濃いところを見ると、まるでサツマイモの肌のようです。そう思ってみると割と見分けがつきます。ところが、飛騨や他の地域では色が全然違うとか。植物の変異は結構大きいものです。

貸してもらったノコギリで切ってみると、直径5cmぐらいの木が1分もかからずあっさりと切れてしまいます。ノコギリってすごい!思わず邪魔なササを刈ったりして遊んでしまいます。

とはいえ普段使わない筋肉を使うわけですから、すぐにへたってきました。森の中を歩くのも久々で大変です。

伐採はノコギリを使うばかりではなく、チェーンソーも使って行います。そっちはどんどん切り倒すので、切った木を林道まで搬送しなければなりません。そこは人がバケツリレーで行います。

何しろ木は3〜4mと長いので、少ない人数でも手で送っていくだけで結構な距離を運ぶことが出来ます。切るのが大変になってくると、もっぱらバケツリレーの方に回りました。

とはいえ不安定な森の中で、重い木を手で送るわけですから、日頃使わない筋肉ばかり使う事になり、やっぱりへたってきてしまいます。

林道に運び出した後は、加工の都合が良い2mの長さに切りそろえていきます。そこはプロの林業家の方が、チェーンソーを使いながら手際よくやってくれました。

三班に分かれての伐採は、午前中で目標の300本を越える分だけカットできました。

お昼には山と栽培のキノコを使った「きのこ汁」が振る舞われました。切ったエゴノキの切り株から生えた天然ナメタケも入っているのだとか。また、エゴノキの端数を利用して、ナメコを栽培することもやってみたそうで、そのナメコがちょっとだけ入っているとか。

なかなかおいしかったです。

久々森の中に分け入り、藪漕ぎでがりがり進んでは木を切る仕事はなかなか楽しかったです。こんな仕事も楽しそうだな、とも思いました。また森の恵みをいただく仕事も、今の私の仕事とは全く違い、面白そうです。

長良川オンパクではこういった「自然の中の仕事」を体験するプログラムがいろいろあるので、他にも参加して見たいものですが、でもやっぱり和傘関係で関わりたいものですね。

来年もぜひ参加してみたい、そう思った企画でした。