でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

2018年度のエゴノキプロジェクトに参加してきました。

先日17日、岐阜の片知山・瓢ヶ岳麓にある、新田の森で開催された「エゴノキプロジェクト」に参加してきました。

2016年に始めて参加し http://d.hatena.ne.jp/assoman/20161128/1480340367 、昨年は出張があって参加できませんでした。今年も直前まで中国出張でしたが、出張が延びる可能性は低かったため、申し込んで参加してきました。

エゴノキとは、和傘の骨が集まる部分にあるパーツ「ろくろ」を作るために欠かせない材料です。過去は木地師や和傘の材料を集める人が仕事の合間に伐採したり、山里の子ども達が伐採して小遣い稼ぎをしていたものらしいのですが、それをする人がいなくなってしまいました。

そこで、岐阜県立森林文化アカデミーの久津輪教授が中心となり、エゴノキを捜索・伐採・収集・育成をするプロジェクトが「エゴノキプロジェクト」として立ち上がりました。それから数年経ち、プロジェクトも発展してきていますが、それが昨日開催されたわけです。

自分は久津輪教授の講演を聴いたり、ネットで話を知ったりして、2016年のエゴノキプロジェクトに始めて参加しました。この年には長良川おんぱくの一つのプログラムにも組み込まれて、10人ほど一般の参加者がいたようです。

今回2回目でしたが、前回顔を見た京都の和傘屋の方や、フェイスブックで名前を拝見する方々に会えて、自分も和傘の存続のために関われている事を実感しました。

作業はまずいろいろ説明があり、10時ぐらいからスタートするのですが、何しろ力仕事だし、山道もないような林野に入り込んでノコギリ片手に伐採する訳ですから、あっという間に体力がなくなってしまいます。

木事態は太くても直径8cmほど、手鋸で切っても5分もあれば切れますが、その5分力を加えるだけでもう手が震えてきます。切った木を搬出するのも、担げる重さにもかかわらず藪の中を引っ張るものだから、引っかかるわ挟まるわで、全体重をかけても動かない (^^;。

いやー、こんなに体力使ったのは、前回のエゴノキプロジェクト以来だわ (^^;。

足下がふらついて転んだり岩から落ちたりしましたが、ちょっとすりむいただけで大事には至りませんでした。でも気をつけないと・・・。当初、雨の天気かも、と思い長靴を用意していたのですが、ブカブカの長靴では歩きにくいですね。来年は登山靴を用意しますか。

とはいえ、藪の中で力任せに進んだり切ったりしたのは、なかなか楽しかったです。若い頃は力任せに「あのてっぺんに行くぞ!」とバリバリ藪の中を突き進んだことを思い出しましたが、もちろん今はそんなふうに体が動くはずもありません。

皆さんの奮闘もあり、午前中で目標本数のエゴノキを伐採できました。お昼はキノコ汁をいただき、持ってきたおにぎりを食べて、まったりして昼過ぎに解散となりました。

しかし、岐阜県森林文化アカデミーの学生さん達は、まだ仕事があります。

エゴノキは根本付近から伐採すると、そこから翌年新芽がひこばえの形で伸びて来て、樹木が更新されるのですが、シカやカモシカがその芽を食べてしまいます。

過去はそんな伐採があちこちにあったでしょうから、残るひこばえも多かったのでしょうが、今は伐採の規模とシカの数とのバランスが崩れていて、エゴノキのひこばえは100%、食べられてしまうそうです。

そこで、切り株のあとにカバーをかぶせたりしてひこばえを保護する研究が数年前から始まっています。そのカバーもいろいろ試行錯誤中で、セキスイの方と共同で、今年度のカバーをかぶせに午後から再度山に入って行かれました。

ご苦労様です。その努力できっとエゴノキが残り、和傘も残っていくと思います。

自分は、和傘に関しては単なるミーハーです。和傘教室で和傘を知り、何度も参加したり蛇の目傘を買ったりしました。高価でもあるから、数年に1本買えるかどうか、です。でも、エゴノキがなくなって和傘が日本から消えてしまったら、とても残念です。

今回、このエゴノキプロジェクトを取材に来ていた方がいました。作業途中で話をしていたら、「材料を作る人」「和傘を作る人」「それを売る人」がたまたまそこに集まっていたので「じゃあ私は傘を買う人だ!」とつい言ってしまいました。

それでも良いです。これからもこのエゴノキプロジェクトに参加して、和傘が続くように応援したいと思います。