岐阜の、加納町まちづくり会が主催した講演会を聞きに行きました。
講師は、長良川てしごと町屋カーサを運営しているNPO法人、オレンジ代表の蒲さん。このカーサばかりではなく、おんぱくの運営などされている方だそうです。
和傘の材料や製造はこの岐阜が全国の80%以上を占めているのですが、ブランドとしては「岐阜」というのを思い浮かべる人はいなくて、京都だったり金沢の和傘を思い浮かべる人ばかりだそうです。
それというのも、製造は岐阜でも、出荷した先のブランドとして売られる事がほとんどだからだそうです。和傘が大量に生産されていた時代はそれでもよかったのですが、すでに年間数千本しか生産されなくなった現在では、ブランド力がないため高く売れず、職人を育成したりすることもできずにいます。
和傘は材料や工程が多いため、職人がどんどんいなくなっています。数年前には「ロクロ」と呼ばれる傘骨が集まる部分の製造がピンチになり、今は蛇の目傘の骨を作る職人さんが80代でピンチになっているとか。
岐阜の人でも知らなかったような話が次々出てきて、現状に驚きました。それに対して蒲さんはエネルギッシュにいろいろなアイデアを実施しようとしています。そしてその目的・目標としては「岐阜和傘」というブランドを打ち立てようというものでした。
本物のブランドとして成立すれば、高くても買ってくれる人が現れる。そうすれば人材育成や産業としても成り立つようになり、よい循環が生まれるはずだ、という話はなかなか夢があるばかりか、現実的な説得力も持つ話でした。
今風なクラウドファンディングも有効利用しながら、傘組合を立ち上げようとしたり、なんとか行政を巻き込もうとしている苦労話もなかなか面白いです。
とはいえまだまだ前途多難そうなので、自分もクラウドファンディングの出資者のような形で応援したいな、と思わせてくれました。
蒲さんはなかなかエネルギッシュなので、他の地方の方かと思いきや、岐阜県出身だとか。岐阜でこういう人は珍しいですね。岐阜県民同士だと足の引っ張り合いになってしまうことが多いですが (^^; 、そんな県民性に負けずに軌道に乗せていけそうな力強い講演会でした。
応援しますよ!