でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

2019年のエゴノキプロジェクトに参加してきました。

和傘の骨が集まる「ロクロ」の製造に使われる「エゴノキ」。昔は和傘関係者は「チシャの木」と呼んでいたそうですが、今は林業関係の樹木の名前でエゴノキと呼ばれています。

そのエゴノキ、和傘にとっては欠かせない重要な素材ですが、それを採っていた方が亡くなり、和傘業界の危機を迎えたのが2012年。

その年、相談を受けた岐阜県立森林文化アカデミーの久津輪教授が中心となって始まったのが、エゴノキを共同で伐採する「エゴノキプロジェクト」です。1年分の和傘に必要なエゴノキを、関係者が集まってみんなで収穫します。

今年度のエゴノキプロジェクトが今日開催されたので、参加してきました。

週の初めの予報では、昨日・今日と雨模様で心配された天候ですが、雨なんて全然考えられない、雲一つない快晴になりました。朝方は川沿いに霧が出ていましたが、山に行ったら返って天気が良かった一日です。

今日は50人ぐらいの参加でしょうか。3班に分かれ、林業家の人が木を切り、傘関係者が搬送。森林文化アカデミーの学生さんは、伐採後に生える新芽をシカやカモシカに食べられないようにするための囲いを付ける、という分担で進んでいきました。

天気も良く、作業は順調に進み、昼には目標本数の枝を切ることができました。

最後は全員で、一人ずつ自己紹介です。岐阜の和傘関係者の方、京都で和傘を扱っている方、日本各地の和傘産地の方、日本の伝統芸能の小道具を扱う東京のお店の方、私のような和傘好き、などいろいろな人が集まっていました。

中でも特筆すべきは、岐阜の和傘振興会が新人職人育成のため初めて募集した、ロクロ・竹骨職人希望者の方が参加していたことです。実は定員に対して応募者が多いため、今日参加していた方全員が採用されるわけではないのですが、和傘の世界の一環として、楽しんでくれたようです。

エゴノキの方は、伐採すると出てくる新芽をシカ類が食べてしまうため、新しい樹木が育って循環する、という理想的な形がまだできていません。囲いを付けてもうまく芽が出なかったりして、はっきり言って切ったほどは育っていません。シカが入れない柵をして、その中で栽培する、のも必要ではないか、という話も出ているそうです。

なかなか厳しい和傘の世界ですが、私もできるだけ応援したいと思います。少なくとも、このエゴノキプロジェクトは木を切ったり搬出したりの作業が面白いので、出張がなく国内にいる限りは毎年参加したいと思っています。