4月1日になると、いろいろなところでエイプリルフール企画が行われる。ウェブサイトにジョークの記事が現れるところが多いが、イギリスの放送局・BBCはもっと手が込んでいて、テレビニュースの中にエイプリルフールのニュースを堂々と流し込んだりする。
そんなニュースの中で、未だに忘れられない物がある。「ペンギンが羽ばたいて大空を飛ぶようになりました」というニュースだが、見たときは衝撃を受けるほど感動した。本当にペンギンが羽ばたいて飛ぶ様子や、その前後の様子が見られるのだ。水中から飛び出してそのまま羽ばたいたり、南極大陸の氷の上を走りながら羽ばたき飛び立ち、また着地するなど、すごい映像が撮れている。
これを作り上げるのは大変だっただろう。いくらエイプリルフールというわずか一日のためとは言え、ペンギンをまず説得し「がんばれば飛べるかも」と思わせるところから始めなければならない。
実際に訓練を始めてからも、簡単に飛べるはずはなく、挫折するペンギンを励ましたり説得したり、なかなかうまく行かなくて全体が意気消沈するなかでモチベーションを維持するのも大変だっただろう。晴れの一日に向けての体調維持や管理、チームで意識を高めていくための気合い入れや、時には羽目を外して気分転換するようなこともあったのではないだろうか。
そんなものすごい努力とチームワークの末に、見事に群れで空を飛んだ時の彼らの喜びはいかばかりだろう。想像するだけで目頭が熱くなってくる。