レトロやアニメコレクション大手のまんだらけが、万引き犯の顔写真を公開しようとしていた事件は、結局警察の要請で公開しないことになった。
個人的には公開には反対だが、これに関するNHKの番組の解説が自分にとっては全く的外れだったので「何言っとるこれ?」となってしまい消化不良状態である。なので、一度意見を言っておくことにする。
自分としてはこれだけの理由で公開に反対である。
1.罪刑法定主義に違反する。
刑事事件に対する罰則は、法律で決めることになっている。国会や地方議会の中で公開された形で決められたものが有効になる。万引きは窃盗だろうがそれも例外では無い。万引き事件に対して、法律で決められた以上の罰を与えることは、逆に法律に違反することになってしまう。
2.私刑・仇討ちの禁止
1と関連するけれども、個人が勝手に罰したり、窃盗に対する罰以上の損害や人権侵害を与えることは許されないはずだ。
3.法の下の平等を崩しかねない
万引きは窃盗犯だが、その罰が偶発的状況で変わってしまってはいけない。さらに、被害者の権力に従って(まんだらけに社会的権力があるとは思わないが)変わることはありえない。他に28万円以上を万引き(窃盗)した事件があったとして、そちらは軽く、今回だけ重くして良い根拠は無い。
もちろん実際の社会では勝手に公開してしまうこともあるわけだ。それにくらべ、まんだらけ関係者はいきなり公開しなかったので、社会の常識に従う良識人である。そこを逸脱すると、「まんだらけがやったから俺がやったってよい」という浅はかなやつが大量に生まれてしまう。そういう意味で、公開しなかったという今回の判断を私は支持したいと思う。