通勤で歩く間に用を足したくなったときに寄る公園のトイレがある。数年前に出来たものでそれなりに最新式でもある。多目的トイレ室もあったりする。最近はホームレスの人もあまり見かけず、使いやすい。
そんなトイレに今日の帰り際に入った。用を足して洗面で手を洗って、前面にある鏡を見ていたら、ふと気がついた。鏡の面が必ずしも均一ではないのだ。気をつけてみないと分からないが、鏡に写る象が微妙に歪んでいる。
「あれ、この鏡、なんでゆがんどるの?」と思って手を近づけて見たが不思議な状況は変わらない。そのまま縁に手をすーっと寄せてみたら、鏡の反射面がそのまま曲がっている。
「あ、お!。これ、ガラスやないがや!」ってびっくりして改めて見ると、ステンレスの板を鏡面加工し、縁を曲げて壁面に取り付けてあるのであった。
時々使っていて、鏡も見ていたはずなのに、今まで全然気がつかなかった。確かに鏡面仕上げしてあれば、ガラスに蒸着した鏡でなくても鏡になる。古代の銅製鏡みたいなものだ。
おそらく、ガラス製だといたずら者が割ったりするので、それを防ぐためにステンレス鏡というものがあるのだろう。ただし家庭にはないのは、ガラス製ほどの「平面度」を出すのがステンレスでは難しいためだと思われる。よくよく見るとたしかに微妙に曲がっていて、化粧のために真剣にのぞき込めばすぐにばれてしまうレベルだ。
それにしても、こんなものが見つかるなんて、毎日通っている通勤路といえども、侮れないものだ。