今朝は曇天だったのだが、自宅から駅まで歩く間に、ふと前方の空を見ると、遠くの建物群の上に、小さな入道雲のようなものが湧いている。「あんな高さに入道雲とは不思議なものだ」と思ったが、見ているうちにだんだんと高くなっていく事に気がついた。
「もしかして火事の煙かも」と思ったのだが、それだったらかなりの規模に思える。なのに消防車のサイレンの音がしない。そのうちに頭が広がりだしてキノコ雲状になってきた。間違いなく煙か大量の蒸気に違いない。
これは大変な事故かと思ったが、サイレンが全く聞こえないのが不思議でしょうがない。停まっていたタクシーの運転手さんも不思議そうに眺めていた。そうこうするうちに駅に着いて、煙は見えなくなったのだが、そのころになってやっといくつものサイレンが近づいて来るのが聞こえてきた。
夜になって帰宅後に夕刊を見たら、駅の少し北の方で、木造の料亭と隣接する建物が火災で全焼したことを知った。それぐらい大きな火事の煙だったのだが、遠くから眺めているだけの私にはただただ不思議な光景でしかなかった。この火事で料亭の方が亡くなったらしい。大変お気の毒に思う。ご冥福をお祈りしたい。
