でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

もっと重要なこと

我が家は東海地方なので、地元で一番有力な中日新聞を取っているのだが、最近、福島原発事故発生当時の実情を生々しく伝える記事が載るようになった。

今日の夕刊にも、東京電力が発表したという、3月15日の菅首相発言というのが詳しく載っていた。

なかなか細かい発言まで載っていて、当時の混乱ぶりなどが想像できるのだが、読み進めるに従い「なんでこんな細かい発言まで記録して公表しているの?」と思う。

実は想像が付く。自分も上役として当てずっぽでいろいろ言ったことがあるからだ。受ける方が責任感を感じるなら、それを元に問題解決を探るし、言われたことが「的外れ」なら自分の判断で外す。

しかし、責任感のない人間は、そんなときに「あなたの言ったとおりにしました」というモードに入り、言った人間に責任をなすりつける。

ある意味、それは「組織」というものの特性であり宿命だ。日本の首相程のえらいさんが乗り込んであれこれ言えば「あなたがああ言ったから、その通りにしました」となるのは日本の組織(付け加えれば官僚的な)には良くあることだ。

ただ、それが克明に記録されていて公表できる、というのには違和感を感じる。まさに「自分たちは言われたことをやっただけ」という責任放棄の手段として使えるよう残したように思う。もしかしたら意識してではなく無意識(本能的)にやったのかもしれない。

でもそれを公表しているのは、「だって、だって、だって、首相が来てこう言ったんだもん!」と小学生並み理屈で「責任逃れ」をしようとしているのでは、と勘ぐってしまう。

まあ、勘ぐり過ぎか。公表されたのは首相発言のみで、それに対して東電がどう動いたのかは、残念ながら記事からは不明だ。

それにしても、公表すべき重要なことはもっと他にあるんじゃないですか?