そのメールが来たのは昨年の夏の終わりごろだったと思う。
「私は個人が自費出版するのをお助けする会社を興しております○○と申します。あなたのブログを拝見させていただきました。ぜひ一度お話しを聞いていただきたいと思います」
何なんだ?と思って無視しようかと思ったが、「自費出版」というのに興味がわいたので、家に来てもらった。どうやら、ブログの内容を本にまとめて出版する、といったことも仕事にしている出版社らしい。名前は聞いたことはない所だったが。
会ってみるとずいぶん調子の良いことばかりを言う。「あなたのブログはなかなか渋いです!」「日食の日の記事を少し膨らましたらすごい面白いエッセーになりますよ!」「お父さんの事などももう少し書いてみたらどうですか?」「某コーヒーメーカの詰め替えの話、調べると最初の製品の欠点を書いているのはあなただけですよ。他はみんな手放しの誉めよう。たぶんあれはステマの走りなんでしょうね!」「岐阜弁も絶対に生かすべきですよ!お母さんとのやりとりは最高です!」
なんかうさんくさい話だなぁ、と思ったが、誉められると嬉しい物だ。一生懸命書いた日記が何かに役立つとしたらそれはそれで面白いかもしれない。
肝心のお金のことになると急に話を渋ってくるのだが、何度も聞きただす中で、いろいろ合わせて数十万ほどかかることがわかった。結構な金額だ。
「でも売れれば印税が入って、それなりに取り戻せますよ!。今の時代ネットでも買えますからね!それほど費用もかけず宣伝もできますよ!」との事だが、どれくらい取り戻せるのか、と聞くと「人によりますがね」。
そりゃそうか。まあ半分も取り戻せれば良い方らしい。
儲かるか、などと色気を出さなければおもしろそうだが、自分の小遣いでは資金を出せない。へばちゃんに頭を下げて、説得して懇願して、最後は「もうこれから二度とお酒を飲まないようにします。まあその方が健康に良いしね」ということで許してもらった。
それから半年あまり、書き直しや新たに書き加えたりし、休みの日はほとんどそれでつぶれたが、無事出版の運びとなりました。
タイトルはどうしよう、と編集の人と相談していたら
「『あっそマンのいろいろ日記』でどうですか?!」
そのまんまやん。
何はともあれ、今日4月1日に全国の店頭に並ぶそうです。アマゾンでも買えます。皆さんぜひ書店に足を運び、買ってくださいね。正直情けでも良いから買って欲しい・・・。