でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

アンドロイド研究はすごい!

今日、名古屋で産業技術関係団体が主催の「IE全国大会」というのがあったので参加してきました。

初日の基調講演後半で、アンドロイドの研究をされているという大阪大学の石黒 浩教授が講演されたのですが、その内容がなかなか面白かった。

産業用ではなく日常の活動の場で人と相互にやりとりする(インタラクション)人形アンドロイドの研究をされている方で、マスコミにも登場するのだそうだ(マツコロイドの番組とか)。自分のコピーロボットであるジェミノイドを開発したり、アンドロイドをさまざまなコミュニケーションの場に導入してみる実験を紹介されていた。

デパートの売り子をさせたときは、日頃、女性販売員と会話もしないようなおじさんが、アンドロイドだとどんどんコミュニケーションを取って、売り上げが上がったとか、ちょっとした仕草や反応を変えるだけで人が真剣に反応したりする例を見せてもらった。

また、ジェミノイドという自分のコピーロボットを通してコミュニケーションしているとき、相手がそのロボットを触った時に自分がさわられたように感じる(もちろんそんなフィードバック機構は付いていないのだが)現象は、幽体離脱や、山岳遭難者が「自分が外にいるように感じる」現象とも通じるのか? と思ってしまった。

もっともすごいと思ったのは、人形とは逆に、どれだけシンプルな構造にしても人がコミュニケーションを取ろうとするか、の実験だ。それによると、会話+触感など「会話プラスもう一つ」で人はコミュニケーションの相手と認識する、という実験だった。簡単な人形抱き枕のような物にスマホを組み込み会話できるようにするだけで、普段しゃべらないお年寄りがペラペラしゃべったり、そこから出てくるお話に子供達が真剣に聞き入ったり、という事例は、人のコミュニケーションで余分なところをそぎ落としたギリギリの所を教えてくれる。

こういう業界イベントだと真面目な仕事の話しだったり、どこかで聞いたような話しを再確認したりすることが多いのだが、この講演は異色で大変面白かった、自分の仕事に直接関わるわけではないが、マシンとのコミュニケーションが生産設備にも必要になる、そんな時代が遠からず来るかも知れない。