母が中国に旅行に行ってきた。
中国はもう何回も（１０回ぐらい？！）行っているが、北京の紫禁城には行ったことがない、ということで出かけた。
旅行そのものは楽しかったようだし、夏休みと言うことで親子連れや若い人もいたりして、いつものジジババ旅行より印象に残ったようだ。
ところが、旅慣れた母にしては珍しい土産を買ってきた。枕である。
「何で枕なんか買ってきたの？」と聞くと「売り子さんが盛んに売りつけたもんでね。これは低反発で頭に沿うからええんだよ。天然素材だでね。結構な値段やったけれど」と言う。値段を聞くと近年母が買ってきた土産の中では一番高そうだ。
しかもそれが私のためだという。
はっきり言って素直に喜べない。もちろん枕は頂いて使っているが、「言うほどではない」しろものだ。まあ質はどうでもよいのだが、そんな物を言われるままに買ってきてしまったことや、今までにない心配りの方が心配である。
この世は諸行無常だ。人はいつかは老いる。私も心しなければならないようだ。晩年の処遇のこと、家のこと、障害の姉のことなど、あまり時間はないのかも知れない。
