でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

「しがみつかない生き方」の方かなぁ

先日の中日新聞朝刊の広告に香山リカさんの「しがみつかない生き方」があって、ぱっと見て「勝間和代を目指さない」が真っ先に目が入ってしまった。

「あー、こういうのも出て来たんだな−。香山リカさんがこう言うのを書くんだ」と思っていたのだが、日経BPサイトにある書評コラムにそのレビューが載ったので読んでみた。

ま、書評を読んだだけで、勝間和代さんも香山リカさんも全く読んだことはないし、これからも多分読まないだろうと思うが、そこから連想するところはある。

自分の仕事柄、製造業に絡んだ話になってしまうのだが、製造業はどこも「生産効率をあげること」に躍起になっている。

20年前にはいかに国内で生産性を上げるか、という話であった。そこで、ロボットなどを使って自動化し、生産性を上げるという話が出てくる。一方、ロボットを導入すると、単純労働を担っていた作業者は失業するのではないか、という懸念が当然出てくる。

ロボットや自動化を推進する立場の人が書いた記事に、こういう主旨の物があった。「ロボットや自動化で効率が上がったら、空いた時間をもっと創造的な仕事に使えばよいのですよ」という発言である。

ま、分かるんだけれど、「それって、どういうこと?。全ての人が創造的な仕事、例えば芸術とか、科学に力を注ぎなさい、ってこと?」と読んだ当時はあまり納得できなかった。

その答えの一つに初めて突き当たったと思ったのは、以前出かけたメキシコホームスティ交流の時である。

ホームスティ先で、ホストファミリーの知人の家に行った。実に広大な農場で(地平線が見えるぐらい!)、片隅に日本では考えられないような広さの敷地に家を構えていた。家や車は別に豪華ではなかったのだが、そこの主人は私たちが尋ねたとき、古いラジカセを自ら修理していた。

その時はその光景はただ流しただけだったが、いつの間にか「あ、あれこそ、空いた時間でやるべき事なんだろうな」と思うようになった。

メヒコの知人は、ただラジカセを買い換えるお金が無かっただけかも知れないから、彼にそんな私の思いを伝えても笑い飛ばすだけかも知れない。でも、あの風景は私にとっては「空いた時間でやるべき事」の一つだと今でも思える。

今、「勝間和代」的に(すみません著書も全然読まずにこう言うのも変ですが)いろいろ効率アップした上で、浮いた時間でさらに何をするのかといえば、私の中では「庭の草取りをする」「ゴミの分別をする」「信号をきちんと守る」「自治会活動に協力する」という事などが思い浮かぶ。効率アップで得た時間は、非効率や一見ムダと思える時間で使うべきなのだ。

いや、そういうことで使う時間を得るためにこそ、創造的な時間を効率アップする必要があるのではないか?

結構マジで、そんなことを考えています。これって、どちらかというと「しがみつかない生き方」に近いのでしょうね。

(そりゃ年取ったからだわ、とか言わんといて)