認知症、という言葉がありその患者がいるわけですが、認知症というのはある意味症状で、その症状が出るようになった元の病気があります(医学的にはもっとしっかりした定義や用語の使い方があるのだろうと思います)。
私の母の場合はレビー小体型認知症ですが、世の中ではアルツハイマー型が一番多いそうで、レビー小体型は資料によっては2番目とか3番目と書いてあります。
もちろん複合していることもあるわけですが、母の場合はアルツハイマー傾向は少しありますが顕著ではありません。レビー小体型認知症がなければ、年相応の症状として認知症とは診断されないかもしれません。
現在は家の中でも杖をついて歩かなければならないですが、キッチンだとすぐ後ろにカウンターの高さの棚があって、捕まればすぐ移動できますし、立っているのも出来ます。なので自分で調理して食事はしております。
洗濯・洗濯物干しも、私たち家族に声をかけるときもありますが、なんとかやれています。買い物は連れて行く必要や荷物を持つ必要がありますが、小さいスーパーではカートを押して自分で歩いて買い物も可能です。
風呂はちょっとサポートは必要ですが、トイレは自分で可能です。
ということで、在宅介護としては周りの負担が軽い方かと思います。
ただ、レビー小体型の特徴である幻視・幻覚はかなり激しく、ほぼ何かを感じているようです。
すぐ後ろに、勝手にいる女二人と男一人がいるようにずっと感じているらしく、また自分がしゃべったことがその幻覚がしゃべったように感じる症状があります。
自分が黙っているうちは気配だけのようです。しかし、私が見に行って「こんにちは。見に来たよ」と話しかけると「ああ、来てくれた、ありがとうね」と自分で言った直後、「なんであんたが私の代わりにしゃべっとるんやね!」と怒り出します。
自分のしゃべったことが、勝手にいる連中がしゃべったように聞こえるらしいのですね。
そのあたりはもう母の頭の中で起きていることなのでよくわかりません。そうやって怒ってどなった声も、勝手にいる連中がしゃべったように聞こえて、それに対してしゃべったのは自分なのかその連中なのか、母の頭の中でもぐちゃぐちゃになっているのでしょう。
そりゃあ、いらいらするわな。うっとうしいし。
そう考えて、一時、声がけするのがおっくうになったことがありますが、母の怒りは生きた人には向かないので、最近は気にしないようにして声がけしております。母はどなりますが、私ではなく自分にどなっているのですから。
私もPCの操作がうまくいかなくてイライラしたりするとPCに対してどなったりすることがありますが (^^; 、それと同じかも。親子だね (^^;
母も、幻視幻覚のため、絶えずイライラしているのだろうなぁ。他にもいろいろ見えるらしいし。
時々「こんな連中がいないようにしてもらえんもんかね?」と聞かれますが、そればかりは行政でも福祉でも医療でもいかんともしがたいです。
「母さんの頭の中で起きとることだから、なんともならんよ」
と言うと、諦めてもうそれ以上は言いません。
さすがにちょっとかわいそうに思います。
あ、でも、福祉にはまだ手があるかな。やはり気が紛れているときは、あまり出てこないようです。もっと福祉サービスを受けるようにしてもらったら、多少はよくなるかもしれません。