昨日ですが、岐阜市歴史博物館の企画展「岐阜和傘 受け継がれる技と美」を見に行ってきました。
企画展初日、10時過ぎに行ったのですが、すでに雨が降り出していて、さらに大荒れになる予報だったので、見ている人は自分の前に一組、自分の後に一組。その間、自分と博物館の方のみ、というちょっとさみしいけれどじっくり見られる状態でした。
博物館で所蔵している和傘の他、現在製作されている和傘も展示されていました。博物館のは貴重な品もあるのでケース内に飾られていますが、最近のは天井からつり下げられていて、光の当たり具合などもよく分かります。
興味を引いたのは過去作られた繊細な傘です。骨間80本という、普通なら50本がせいぜいなのにとてつもなく骨が多くて、それでもたたむと48本の蛇の目傘ほどの太さしかないという超絶な傘がありました。残念ながら閉じた状態での展示でしたが、開いたところをぜひ見たかったですね。
岐阜和傘の特徴は、竹が細く加工されていて、閉じたときに細くなる上質のものが多い、とのことでした。他の地域の和傘との比較写真がありましたが、確かに細いですね。
あとは、昔作られた桜型和傘ですね。最近再び作られるようになり話題になりましたが、昔作られたものが展示されていました。こういった特殊な加工を施した物がいくつか展示されています。表皮付、というのは親骨の表に竹の皮(表面)が貼ってある物ですが、製作手順としてはまず親骨を作って、そこから皮の部分を割れないように削り、傘に仕立てた後に、親骨に貼った平紙の上に元の竹の皮を貼り付ける(しかも同じ骨に戻さないといけない)、という気が遠くなりそうな作業が必要です。
いやー、すごい。
かがり部分も改めてじっくり見られたのが良かったです。今回発見は、46間の傘に5角形のかがりをする場合どうなるのか?が分かった点です。5角にするには骨間9間ごとに同じパターンになるように作るのですが、それだと45間になり、1間たりません。よくよく数えてみると、一つだけパターンの間が10間になっているところがありました。同じ傘では9角形のパターンも作り込まれてあり、そこも1カ所だけ、5間ごとではなく6間になっているところがありました。
我が家の和傘でかがり糸が切れてきたのがあり、自分で直してみようかな~と思っているのですが、そのときにデザインを考える参考になりそうです。
自分で直すなら、傘の作業台を作らないとなぁ。
あと一つは、過去の岐阜和傘業界を紹介する展示物の中に、自分のひいおじいさんの弟さんの名前を見つけたのがうれしかったです。ひいおじいさんと同じく、和傘問屋をやっていたので出て来たのでした。図書館で過去の和傘産業資料を調べたときにも見つけましたが、自分のルーツが見つかるとうれしいですね。展示された資料はケースに入っていて勝手にめくるわけにもいかないのですが、きっとひいおじいさんの名前もあるのでしょう。
この土日は実作業の講演はなかったのですが、来週以降、実作業が開かれます。私がお世話になっている人も実演をされるので、ぜひまた企画展を見に行きたい物です。