このところ在宅勤務が多いですが、今週は出社が3回ほどありました。
朝出社し、更衣室から出て歩くと、少し前に異動した同僚に会いました。今は購買部で資材調達の仕事に当たっています。
「コロナで資材がなくなって大変なんじゃない?」
「樹脂材料、世界中どこにもないんだわ」
歩きながらの話なのでこれくらいの会話でした。
「樹脂材料」とは、プラスチックの原料になるもので、これを溶かしたり配合したりした後、型に入れて整形して、世の中のプラスチック部品や製品になります。その樹脂材料がコロナ影響+そのほかのいろいろな要因で世界中で不足している話は聞きました。
そのおかげで部品が入ってこなくて製品が作れないとか、一時的に別の材質を使うための試験や評価や設計変更で製品開発部門がてんてこ舞いをしている、という話は聞きました。
この現代社会、樹脂は世界中の人間生活や文化の基盤になっているから、その供給網などは盤石に思えます。しかし、世界情勢がちょっと変化したら、あっという間に不足して社会が混乱してしまうとは・・・。
もしこれが食料に関わることだったら? 今回は人間の交流が制限されるコロナでしたが、人間ではなく農作物に影響するような災禍だったらどうなったのだろう。
樹脂材料が入ってこなければ、工場を停めればすみます。しかし、食料が入ってこず、1ヶ月食べるものがありません、などとなったら、社会は大混乱になるだろう。
日本の食糧自給率は相変わらず低いままだし、と言って、海外から安定してはいってくるべく、世界情勢の健全化を推し進めているとは言えないし、何かもっとやっておくべきことがあるのではないだろうか?
それが何か、具体的には分からないが、同僚の一言で「人間社会のもろさ」を教えられたような気がします。