昨日、買い物に出かける、と言ったら、妻から「ついでに腕時計の電池を交換してきて」と頼まれました。時計が止まったので、交換したいのだそうです。
ショッピングモールに行って時計屋を探し、「この時計、電池交換できますか?」とお願いしました。時計屋さんはその時計を見てすぐ「あれ、動いていますよ。止まっていたのですか?」と聞いてきました。
見ると、秒針が動いています。持ってくるときには確かに止まっていたので、何か衝撃で動き出したのかも知れません。
「あー、まあでも、電池が弱くなっているかも知れないので交換して下さい」
とお願いすると、しばらく時計を眺めてから、
「こういうタイプは、電池が無くなって止まったら、交換しない限り再び動き出すことはないものです。だいぶ古いタイプの時計のようだから、止まったのは電池のせいでは無く、おそらく時計として故障しかかっているのでしょう。」
と言ってきました。
正直、(つべこべ言わずに変えてくれればよいのになぁ~)とちょっと思いましたが、時計の素性を知らないのでなんとも判断付きかねます。
「背面のフタも取れかかっていますね。ベルトの金具もセロハンテープで固定してありますが、これも外さないとフタを開けたりしにくいです。」
「だいぶ古いには違いないので、たぶん電池を替えてもまた止まったりします。分解清掃や修理をした方が良いと思いますが、時間もかかるし、かなりのお金がかかってしまいますよ。今は動いているので、そのまま様子を見た方が良いかも知れません」
なるほど。古くて壊れかけなら電池を交換しても仕方が無い。妻はいつも鞄にこの腕時計を入れているが、修理のために私がポケットに入れて運んだので、体温で暖まって動き出したのかも知れない。
帰ってそう伝えると、
「あー、そうなんだ。この時計、私が高校に入ったときに父さんが買ってくれたもんなの」
「えーっと、そうすると、40年前だがね!」
「そうなるんかな? まあでも、記念のものだから大事に使ってたの」
さすがに40年も前の時計だと、故障しかけていても仕方が無い。しかもしばらく前に、裏蓋が取れてしまったので自分ではめたのだという。
長く修理して使うような高額な時計でもない。結局、このまましばらく使い続けて様子を見ることにした。
40年も前の時計とは知らなかったので、時計屋で話を聞いていた時は、対応に腑に落ちないと感じたが、時計屋さんの判断は正しかったのだろう。
さすがプロである。時計屋さんありがとう。