加納町づくり会が毎年総会後に開催している講演会を聴きに行きました。今年は、岐阜森林文化アカデミーの久津輪先生です。
久津輪先生は、和傘の骨が集まる「ろくろ」という部品づくりが危機に瀕しているという事態を、「エゴノキプロジェクト」というのを立ち上げることによって、危機を脱するまで支援してくれた方です。
昨年秋にも岐阜市のアクティブGで講演会があり、私も聴きに行きましたが、加納まちづくり会の会長さんが、ぜひ加納でも講演をして下さい、とお願いして来ていただいたということです。
内容的には昨年の講演と被るところもありましたが、新しい情報もありました。特に、昨年、長良川上中流域が「清流長良川の鮎」として、世界農業遺産に指定されたことは良いニュースなのだそうです。
一見、和傘とは関係がなさそうですが、世界農業遺産とは、直接の農林水産業だけではなく、地域の伝統文化なども含めて指定されるものだそうで、その中に「和傘」が入っているのだそうです。
まあそれで和傘の危機が一気に解消されるわけではないですが、人材育成事業などはやりやすくなりそう、だとか。
講演の中でも、ろくろの次に今は和傘のための竹の加工が危機に瀕している、という話がありました。世界遺産の指定がその後継者育成に役立つと良いのですが。
和傘など、今時需要がないのかというと、和装の傘やアクセサリとして、実は需要がある、という話しも聞かせていただきました。京都の老舗の和傘の店によると、あればあるだけ売れるのだそうで、供給する側が追いついていない実態もある、とのこと。
伝統的な和装・神事・祭礼・芸能の他に、今ならコスプレのグッズとしても使い道もあるかも知れません(高価だけれど (^^; )
和傘業界がもっと元気になるよう、私も少しでも力になれれば、と思った講演会でした。