この土日、東京に行って来ました。
新聞に載ったJR東海ツアーズの安いツアーを母が見つけました。金額はほぼ新幹線往復代ぐらいで、一日目はバスツアーが付き、二日目は全部フリータイム。食事は全く付きませんが、東京も巡って自由行動も欲しい、という人にはうってつけです。
このツアーで、「浜田山に行ってみたい」と母が言ってきました。
我が家は父がサラリーマンで、何度か転勤しています。東京都杉並区の「浜田山」という所に住んでいたこともあり、45年ぶりぐらいでそこに行ってみたくなりました。しかし、ツアーではなく電車を乗り継がなければならないため、自分1人では不安で、私に一緒に行って欲しい、と頼んできました。
初日のツアーは無事に済んで、泊まったホテルは千葉県海浜幕張のアパホテルだったのですが、翌朝が大変でした。
かなり早めの春一番が吹くだけではなく、強風にあおられる予報だったのですが、海沿いに立つ高層ビルから見た外の景色はほとんど暴風雨です。ホテル前に泊まるバスは横に揺れているし、セダンもフワフワするほどのとんでもない天気でした。
本当は京葉線で東京まで出るつもりが、ネットの情報を見ても今にも止まりそうで、急遽タクシーを呼んで、京成電鉄の幕張駅まで行きました。そこでは「ちょっと風が強いかな」ぐらいの雨で、電車も動いていて一安心でした。
立って乗ることは無理そうなので、普通電車に乗って上野に行き、山手線の渋谷で京王井の頭線に乗り換えて、浜田山まで来ました。
浜田山駅前がどんなだったか、母も私もほとんど覚えがないですが、駅前の通りを歩いて、豊多摩高校を目指しました。住んでいたアパートはその前に立っていたからです。
母の足で歩いて15分ぐらいで豊多摩高校の前に着きました。その前に高級そうなマンションが有り、そこが元住んでいたアパートだったところに間違いありません。ここまで来ると母ははっきり思い出し、自分もなんとなく思い出したような気がします。
豊多摩高校のイチョウ並木は当時の記憶とほとんど変わらなかったですが、町並みにしろマンションにしろ何もかも変わってしまっているようです。ただ、アパートの敷地がそのまま今のマンションになっているようで、そこだけ面影を感じました。これが全部戸建て住宅にでも変わっていたら、全く感じるものがなかったかも知れません。
「前の道はこうも細かったかねぇ」と母は言います。高校以外何も記憶に残っているものはないのですが、ここに来られたことで十分満足できたようでした。
ついでに、近くの浜田山小学校に行ってみました。自分はこの小学校に入学して、1ヶ月はいたはずなのですが、見事に記憶から抜け落ちていて全く残っていません。
ちょうど小学校の前をコミバスが走っていました。歩き疲れた母には良い助けになり、そのバスに乗って浜田山駅に戻りました。コミバスが一時間に4本も走っているのにはびっくりしましたが、それ以上に浜田山駅前に地域の人が普通に大勢いて、個人商店街が成り立っているのには驚きです。岐阜では考えられない! 道行く人も、若い家族が多いのもうらやましい。岐阜はジジババばかり(^^;。
母の浜田山再訪はこれで終わりました。母は、父(私の祖父)が教員で転勤があり、夫(私の父)はサラリーマンで転勤して、と、あちこち渡り歩いています。そのうちの名古屋にはだいぶ前に出かけ、伊勢には昨年行き、今年東京に来たのですが、もうひとつ、福岡に住んでいたことがあります。
もしかして次は「福岡に連れて行ってちょう」と言い出しはしないかと、恐る恐る「福岡は行った事があるのかね?」と聞いてみたら「ある。前にツアーの空き時間に行った」とのことで、福岡には連れて行かなくて良さそうでほっとしました。
ただ、実は自分は転勤先の福岡で生まれた子なので、ちょっと寂しいような気もしないでもないですね。