娘が春から通う美術系大学の、入学前課題図書に指定されていたレーモン・クノーの「文体練習」を読了しました。
「美術の大学がなぜ文体?」と思いましたが、ありふれた短い話を、文体をいろいろ変えながら99通りに変化させて書いた本です。発想の自由さをまざまざと見せつけるもの、ということで課題図書になったのでしょう。
最初に元になったストーリーが書いてありますが、のっけから大きく書き方や視点を変えて書かれた文章を読むと、その奔放さ加減のの面白さと、それによって変わる印象の意外さに引き込まれます。
中には言葉遊びがすごくて読みにくい文体もあります。でも、メールにしろネットにしろ、日頃読み流すばかりなのに、この本は文字通り一字一句読みたくなるというか、強引に読ませられているような感覚になります。
原本はフランス語らしいですが、んー、それは絶対読めん!