でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

幸田露伴の「五重塔」読了

幸田露伴の小説「五重塔」を読みました。

江戸の感応寺の五重塔を建てる頭領が誰になるのか、という話しであるが、その前に本堂などを建てた源太と、のっそりと呼ばれる十兵衛の二人が主人公となっている物語である。

それぞれの女房や感応寺の上人様、他に取り巻きの人などが分かりやすく生き生きと描かれている。江戸なので江戸っ子気質の人達が登場するのだが、その様も面白い。

「分かりやすく」と書いたが、文体は文語調で文は長くて区切りもはっきりせず、結構読みにくい。最初黙読しようとしたが一度に理解できず、小さい声に出して読むようにしたらスルスルと読む事が出来た。読めれば、その意味するところはとても分かりやすい。

知ったのは中日新聞のコラム「おじさん図鑑」に「おすすめだ」と書いあったからで、読むと確かに面白く、登場人物がしっかりと目に浮かぶ。

江戸っ子言葉がいっぱい出てきて、そのテンポ良さも面白かった。標準語とか大和言葉とかより、こういう方言の方が私は好きだ。もちろん岐阜・名古屋弁の方がもっと好きだが。

たまには古典も良い物だ。買いに行ったときに、たまたま川端康成と岐阜のつながりを研究した本も見つけて買ったので、そちらにも手を出してみるのもありかもしれません。