今月の日経サイエンスの特集は「だまされる脳」。人が超常現象を信じたり、陰謀説を受け入れてしまうのはなぜか、についての、最近の心理学などの研究結果を紹介するものだった。
面白くて一気に読んでしまった。人が無いものを「有る」と判断してしまう理由は、人が元々持っている「限られた情報から素早く結論を引き出す」能力が誤って判断した結果ではないのか、という内容だった。
その能力は通常は人間にとってとても役立つものだ。例えば顔をちらっと見るだけで、人の感情を読む事はだれにでも出来る。しげしげと眺めて初めて怒ったり敵対的なのがわかるようでは、重大な危険を招きかねない。ところがその能力が逆に、「顔がないところに顔がある」ように誤って見せてしまうことがあるらしい。
陰謀論を信じてしまうのも、複雑な事象の中から抽象的で単純なものを見つけ出す能力の誤動作だという。本来は科学の発展などに役立つ、人間を人間たらしめる能力だと思うのだが、誤ったパターンを「見つけた」と信じさせてしまう、との事だった。
いずれも最近の研究で次第に支持されてきた「仮説」ではあるが、聞くとなんかとってもそれらしい(これが実は陰謀論だったりして(^^;)。これからは、なんか変な現象に遭遇したら、「おお、私の脳が今人間らしく働いている!」と思うことにしようか(^^)。
ところで、この中に「幽霊を見る方法」というのが紹介されていた。鏡に映った自分の顔が歪んできて、ついに別人の顔に見える、というもので、多くの人で成功するらしい。
やってみるか? いや、ちょっと怖いかな・・・。