でーれーすげーげー

岐阜県岐阜市に在住です。ブログ名は、岐阜市近辺の方言で、とても感嘆したときに発する言葉です。

雪の幻

勤務先の飲み会があった帰り。

岐阜まで来ると、雪が降っている。昨日から今日にかけて「降るぞ降るぞ」と言われながらなかなか降らなかったのだが、ついに降りだした。

飲み会では食べ物が少なかったので、ご飯を食べたくなっていた。雪の降る中を、食べ物屋を探して歩きだす。

JR駅前にはないが、新岐阜から神田町に行けば何かあるかな?と思って歩いて行くと、新岐阜駅前に牛丼のすき屋があるのを見つけた。

カウンター席に座って、水をもらい、メニューを開いたときに、隣に座った人がいた。見ると、同じ会社のYさんである。

「あれま、珍しいですね」と互いに驚いてあいさつを交わす。一緒に仕事をしたことはないし、顔見知りなだけだが、岐阜つながりでときどき挨拶は交わす。

そんな人と、夜遅くすき屋で隣り合わせになるとは思わなかった。

店を出ると、雪は本降りらしい。これほど降るのは今冬初めてなので、雪を見ながら「杜の架け橋」を歩いて行く。白い雪が空全体を覆う。風の流れに従い揺れ動く。この寒さの中で幾組ものるストリートダンサーが踊っている。彼らにとっては、これも舞台の一つなのかもしれない。

杜の架け橋の端からは駅舎の中に入り、ぐるっと回って加納口に出たら、雪はもう小降りになっていた。わずか数分歩いているうちに雪がなくなってしまった。

いつもと変わらない道を歩いて行く。つい先ほどの世界が信じられない。久々の人に偶然出会ったのも、ストリートダンサーの軽快な動きも、舞い上がる雪の粒が見せた幻だったのかもしれない。