NHK教育で放映されている「大科学実験」がなかなか面白い、という話は以前書いた http://d.hatena.ne.jp/assoman/20100504/1272980199 。少し前には、再放送が多くなってつまらなかったが、最近になって新作が増えてきた。レコーダーが勝手に録画してくれていたので、先日久々にじっくり見た。
番組のキャッチフレーズは「やってみなくちゃわからない」だが、先日放映された「時速100kmの振り子」では、まさにその「やってみなくちゃわからない」という事態が起きた。
プログラムのテーマは振り子だ。振り子の振り始めを高いところに持っていくと、一番下まで降りた時にどんどん速くなる。じゃあもっと高くすれば時速100kmが出せるのか?、という実験だった。
どれくらい高くなれば100km出るのかは計算で求めていて、およそ50mの高さだった。番組ではドーム式野球場に大型クレーンを数台持ち込み、振り子の支点と、落下開始位置を作り上げていた。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
で、見事時速100kmが出たのだが、予想と違うところがあった。一番下がったところが一番速くなったわけではなく、その少し手前が最も速いスピードになったのだ。
実は作品中ではその点は「空気抵抗のため」とさらりと語られていて、詳しい解説はなかったが、こういうことだろう。重力による加速力は振り子が下がって行くにつれて小さくなる。一方空気抵抗はスピードが上がるほど大きくなり、それが釣り合う地点が振り子の一番下より手前にあって、それ以降は空気抵抗の方が大きくなり「減速していく」ということだろう。
こんな結果になるとは、まったく想像していなかった。いやー、ホント。やってみなくちゃわからない。