しばらく前に、近所の家の前に「ご自由にお取り下さい」と書かれた段ボール箱が置かれていた。中身は植木鉢やちょっとした食器や、その他それほど大したことはない日用雑貨が入っている。どうやらこの家の人が、自分の家の不要品を箱に入れて並べているようである。
毎日の通勤路の前なので、状況がよくわかる。見ていると数日で結構減っているようだ。どんな人が取っていくのかと思ったら、しばらくして母が「○○さん前に『持ってってください』って箱があるのを知っとるやろ。そこから取ってきたわ」といって植木鉢を見せてくれた。まあ、「こういう人が取っていくのだな」とすなおに納得できた。
ハンガーが大量に出されたときがある。大半が針金ハンガーだが、中に木製のしっかりしたハンガーがあった。ちょうど、針金ハンガーにズボンを掛けるとシワが寄るのに困っていたところだったので、さっそくもらった。結局自分も「取っていく人」の仲間入りをしたわけだ。
書籍が出たこともある。自分の好みとは合わなかったが、それもいつの間にか無くなった。だれかごっそり取って、古本屋に持って行ったのかもしれない。テニスボールのピッチングマシンや、オイルヒーターなども出ていた。丁寧に「まだ使えます」と書いて貼ってあったので、それらもしばらくしたら無くなった。
あんがいもらわれていくものだなあ、と思う。これらを公式に捨てようとしたら結構大変だ。量がある物は分けて捨てなければならないし、大物はお金を出して引き取ってもらわないといけない。フリマに出す、という手もあるが、この方法だとフリマでも売れそうにもない物でも貰われていった。手軽なリサイクル方法であると思う。